Concept事業概要

Mission事業概要

① がんゲノム医療に精通した人材の育成(学部・大学院・卒後教育)

がん遺伝子パネル検査に代表されるがんゲノム医療が急速に普及し一般化しつつある一方、対応できる医師の不足が顕在化しています。学部学生及び現場で活躍する医療従事者に対する教育活動の推進が不可欠と考えられます。
学部学生に対しては、M3-4期のクリニカルクラークシップの中で、一週間のがんゲノム医療実習を必修科目として新設しました(令和7年1月より)。本学の特色を生かしたがんゲノム医療教育・実習を重点的に行う先駆的取り組みを実施し、リサーチマインドの涵養を重視した指導を行っています。特に興味をもつ学生に対しては将来この診療・研究分野をリードする人材を育成すべく短期集中型の実習コース(エレクティブクラークシップ)も用意し、がん遺伝子パネル検査の全過程を経験する実習を通して極めて高い効果が期待できます。
大学院生教育においては、これまで取り組んできた文部科学省「がんプロフェッショナル養成事業」で高い評価を得た経験をもとにしつつ、この枠組みを大幅に改変、発展させる形で新規のプログラムを実施します。充実した大学院講義に加え、大学院生のエキスパートパネル参加、解説担当機会を提供します。
卒後教育として、東大病院臨床腫瘍科の教員を中心に「TR(トランスレーショナルリサーチ・橋渡し研究)・アカデミア創薬人材育成プログラム」を新設します。これは高い実績のあるJ-HOPEプログラム講師によるセミナーやSPARKプログラムのエッセンスを反映させ独自に考案した人材育成プログラムで、内外のエキスパートによるセミナーをベースとし、TR・アカデミア創薬で活躍する腫瘍内科医をはじめ高度がん医療を担う医師養成を目指す新たな取り組みです。
こうした人材育成プログラムと連動して、バイオリソースセンター機能強化をはじめ本事業の支援体制面での取り組みを進めることで、大学院生や医師が橋渡し研究やアカデミア創薬をより高いレベルで効率的に進めることができ、研究力強化と人材養成をさらに後押しする効果が期待されます。

② バイオリソースセンター拡充による国際レベルの臨床研究推進

本学ではがん分野における様々な臨床研究を国際レベルで実施していますが、ヒト検体へのアクセスの難しさは基礎研究室をはじめ研究推進の障壁となり、諸外国に後れを取る要因の一つとして重要な課題です。2021年度に設置された東大病院バイオリソースセンターは、バンキング検体を用いて全ゲノム解析等実行計画(AMED等)や各診療科における研究に利用されています。本事業ではバイオリソースセンターの体制を強化することでバンキング対象患者を大幅に拡大し、電子化された病理スライドやホルマリン固定パラフィン包埋検体等の利用と合わせ、広く学内外の研究者にヒト試料を提供することを可能とする体制構築を目指しています。
また、近年は病理診断の確定に必要な分子レベルの検査(融合遺伝子や遺伝子増幅・欠失等)のニーズが増えていますが、保険診療では実施困難なものが多く、これらの分子病理解析に対応し診療・研究を支援する体制を構築していきます。これにより、東京大学・東大病院における高度がん医療や、がん研究を協力にサポートします。
バイオリソースセンターの活動については http://********* をご参照ください。

<事業概要図>